「AIそのものより、背後にある数式が好き」と語る森さん。研究者として生きていくつもりでしたが、共同創業者との雑談が転機となります。「フロンティアを広げるのもいいが、その技術をいち早く社会に届けることも価値があるのでは？」。その好奇心から、2018年にpluszeroを創業しました。
🤖 「ChatGPTは第3世代」pluszeroが目指す、その先の「第4世代AI」とは？
現在、ChatGPTなどの生成AIがブームですが、森さんはこれを「第3世代AI」と分類します。これは大量のデータから「それっぽい答え」を導き出す技術です。しかし、データには限りがあり、嘘をついたり間違えたりすることもあります。
pluszeroが目指すのは、その先にある「第4世代AI」の研究・実用です。
「第3世代AIは90%の精度は出せますが、残りの10%を埋めるのが苦手です。私たちは、人間のように『意味』を理解するアプローチや論理的な手法を組み合わせることで、その足りない部分を補完したい。派手ではないかもしれませんが、この『隙間』を埋めることにこそ、実社会での大きな価値があるんです」 （森さん）
Spotify「きゃりラジ〜働くわたしの心の声〜」より
🤝 雀荘の店長も活躍！？「天才」に勝つための、異種混合チーム戦略
pluszeroには、AI研究者だけでなく、元国家公務員、インテリア照明デザイナー、なんと雀荘の店長まで、多種多様なバックグラウンドを持つメンバーが集まっています。そこには、森さん独自の「勝算」がありました。
「AIのような流行りの領域は、世界中の天才たちがしのぎを削る世界です。個人戦では、頂点にいる天才には敵わないかもしれない。でも、『こっちは3人いるから、力を合わせて天才に勝てばいいじゃない』というのが僕の考え方です」 （森さん）
Spotify「きゃりラジ〜働くわたしの心の声〜」より
AIの技術力だけでなく、「業界で何が喜ばれるか」というアイデアは、数学の外からやってくることが多いもの。「人の時間は有限。だからこそ、自分と違う時間の使い方をしてきた人は、チームに新しい価値をもたらしてくれる」と森さんは語ります。
⏳ 「3000時間」の法則。キャリアに迷う人へ
森さんはご自身の経験からこんなアドバイスをくれました。
「流行っているからAIをやる、ではなく、自分が時間を忘れて没頭できるものを見つけることが大事です。一つの分野でプロフェッショナルになるには、だいたい3000時間くらい必要だと言われます。苦にならずにその時間を注げるものに出会えるかが、キャリアの鍵になると思います」 （森さん）
Spotify「きゃりラジ〜働くわたしの心の声〜」より
「数学が好き」という純粋な情熱から始まり、研究者、そして経営者へ。形は変われど、常に「没頭できること」を追い求め続ける森さんの生き方は、働く私たちに大きなヒントを与えてくれました。
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